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肩こり
いわゆる「肩こり」は経験のない方のほうが少ないのではないかと思うくらい、一般的に耳にする症状ですね。
あなたは肩こり、気にならない方ですか?
それとも、普段からつらい思いをしているものの、キリがないからあきらめてしまった方ですか?
自覚症状って本当に人それぞれではありますが、「肩こり」の場合は特に個人差が大きな症状だと思います。
ところで「肩こり」って病気だと思いますか?
実は「肩こり」とは病名(疾患名)ではなく、首の付け根から肩・まれに腕までに及ぶ、痛み・しびれ・張り感などの自覚症状に対する総称のことです。
肩こりの原因
いろいろな分類がありますが、ここではあえて分かりやすく2種類に大別してみます。
- はっきりとした原因がある「肩こり」(病名がつく)
- 骨・関節などの問題
頚椎椎間板ヘルニア・変形性頚椎症・後縦靱帯骨化症・頚椎捻挫(ムチ打ち症)・胸郭出口症候群・五十肩(肩関節周囲炎)など
- 内臓などの問題
心臓や肺、肝臓、胃腸などの内臓の病気の影響や、虫歯・歯の噛み合わせが悪いのが原因となり、肩こりの自覚症状が出ることがあります。
- 骨・関節などの問題
- はっきりとした原因が特定できない「肩こり」(病名がつかない)
- 体型、姿勢や日常の習慣・仕事内容、体質などの問題
具体的には、太った方や痩せた方、猫背ぎみの方、デスクワークや目を使う仕事が多い方、冷え性の方、運動不足気味の方など、他にもいろいろありますが、これだけで肩こりの原因となりえます。
- 心の問題
ストレスなどの精神的緊張やうつ病(うつ傾向)の方、あるいは性格などからも、肩こりに繋がることが多いです。
- 体型、姿勢や日常の習慣・仕事内容、体質などの問題
肩こりのメカニズム
一部の病気の影響での肩こりには当てはまりませんが、大部分の肩こりに共通する主な要因は肩まわりの血液の流れの悪化です。
肩まわりの血液の流れが悪化すると、筋肉の中での老廃物や酸素の交換が上手くいかなくなります。
こうなると筋肉の柔軟性がなくなり硬くなってきてしまい、ますます血液の流れが悪化するという悪循環となり、結果的に肩こりを自覚してきます。
これは筋肉のつくりを考えていただけると分かりやすいです。
通常、筋肉は「伸びる」と「縮む」動きがセットになっています。
腕の筋肉などは、腕を曲げるときには内側の筋肉が縮み、外側の筋肉は伸びます。
反対に腕を伸ばすときには内側の筋肉が伸び、外側の筋肉が縮みます。
このように、筋肉は「伸びて」「縮む」ことが本来の動きです。
そして、この「伸びて」「縮む」ことにより、血液の流れを促進し老廃物を排出する作用もあります。
首や肩・背中の筋肉の場合はどうでしょうか?ちょっと事情が変わってきます。
首や肩、背中の筋肉は「支える」ことが主な目的であるため、「伸びる」「縮む」という本来の動きをしない筋肉が出てきます。
日常的な使い方では「縮む」ばかりで「伸びる」ということがほとんどない筋肉があり、この筋肉が疲れてくると、回復が追いつかず、血液の流れも悪くなり、ますます疲労が蓄積されていきます。
例えば猫背ぎみの方の場合、首から肩・背中にかけての筋肉のうち、一部の筋肉に負担をかけ続けることにより、その部分での筋肉の柔軟性が悪くなり、血液の流れも悪くなっていく、という悪循環になります。
また、デスクワーク中心でパソコンでの作業が多い方の場合、肩まわりの筋肉の一部を緊張し続け、かつ動きは最小限なので血液の流れの悪化は著明です。
さらに、目を酷使することにより、後頭部から首にかけての筋肉も緊張し続けることになるので、適切なケアをしないとあっという間に肩こりに悩むことになります。
肩こりで大事なこと
重大な病気のサイン
「たかが肩こり」と甘く考えて、肩こりの症状が気になっていても、放置していませんか?
肩こりは、他の重大な病気のサインという場合があります。
内臓に問題がある場合に、肩こりの自覚が出ることはよくあります。
この場合、肩こりだけの単独の症状であることは少なく、例えば以下のような症状を伴うことがあります。
- 発熱が続く
- 胸に痛みがある
- 背中や片方の肩だけに強い痛みがある
- 指先などの関節が腫れる
- 手がしびれる・こわばる
- 体全体がだるい
- 食べているのに痩せてくる
- 尿に血が混じる・尿が白い
- 頭痛・めまい・耳鳴り・動悸がする
このような症状が肩こりとともにあったり、何かいつもの肩こりと違うと感じたら、内科や整形外科など、かかりつけのお医者さんにご相談されたほうがよいでしょう。
肩こりの本当の原因は日常にある
肩こりとは結局のところ、筋肉の使い方のアンバランス(ムラ)によって引き起こされることが多い症状です。
筋肉の部分的な疲労による自覚症状だとも言えます。
慢性的な肩こりに悩む方は、この筋肉の疲労が慢性化している状態です。
骨や関節の問題による肩こりなど、一部当てはまらないものもありますが、大体は日常生活や仕事での体の使い方に肩こりの原因となるものが潜んでいます。
その見当がある程度つくのなら、ぜひそれを改善してみてください。
- 運動不足だと感じているのなら、ちょっと散歩を始めてみる。
- デスクワーク中心の仕事なら、休憩時間に軽く首や肩を回してみる。
- 姿勢が悪いと気づいているなら、思い出したときだけでも姿勢を正してみる。
難しく考えることはありません。まずは始めてみることです。
そして、それを続けることこそが大事なので、最初は簡単に続けられることから始めてみてください。
肩こりには個人差がある
同じことをしていても、肩こりになる人とならない人がいます。
これは、単純に回復力の個人差と言えます。
ある負担で一時的に血液の流れが悪くなっても、筋肉の柔軟性や血液の流れる量に余裕があるため、筋肉が硬くならず、その負担が解消されたときに血液の流れが元に戻り、肩こりも起こらないというものです。
実際肩こりの自覚はない、とおっしゃられる方は大勢居られます。
ところが、肩こりで悩む方には羨ましい限りのこの話も、ちょっと困ったことがあります。
と言うのも、肩こりの自覚はないのに、肩のこっている方というのは、実はたくさんおいでになるからです。
つまり肩こりの自覚にも個人差がある、ということです。肩こりに限らず痛みなどの自覚症状には、かなりの個人差が見られます。
肩はこっているけれどもこり感はない方というのは、まだ自覚するレベルまで肩がこっていない、自覚の限界は高い方とも言えます。
ここが困ったところなのです。
自覚がないだけに無理をしやすく、気付いたときにはひどい状態になっていることがほとんどです。
普段は肩こりを感じてないので、今の自分の疲れの蓄積状態をほとんど把握することが出来ないため、肩こり感ではなく、急に首や背中が痛くなる、といった症状の出方をしたりします。
肩こりの気にならない方でも、「肩が凝っていますね。」と言われたことのある方は、ある程度自分の疲れ具合を気にするようにしたほうがよいかもしれません。
ちなみに、あくまで治療していての経験上の話ですが、「肩こりの自覚が無く、実際に肩がこっていない」という方はほとんどお会いしたことがありません。
体の調子の悪い方を治療するので、ある意味当然かもしれませんが。
ですが、「肩こりの自覚は無いが実際には肩がこっている」方にはよくお会いします。
つまり・・・?
肩こりの自覚の無い方、要注意ですよ!
自分で自分の状態が分からない方は
- 自分の肩こりの原因がさっぱり見当がつかない。
- 自己管理するのは無理・面倒。
- 自分でどうこう出来るレベルを超えている。
- なにをどうすればよいか分からない。
このような方は、当院にご相談ください。
お一人お一人、原因や症状が違うものなので、その方に合った治療や日常生活でのアドバイスをさせていただきます。
LastUpDate 2013-03-29 (金) 17:28:50
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