我が家の自動車は2台あり、1台は古い軽で主に自分が通勤用に使用する。
もう1台はめちゃめちゃ古いワンボックスで、家族全員+αも可能ではあるが、そろそろ10万キロに手が届こうかという走行距離もあり、いろいろガタが来ている。
この前もねぇ!
ある日エンジンをかけたら、いきなり運転席側のドアミラーが格納したの。
ほら、よくある「電動格納式ドアミラー」ってやつで、普段はほとんど格納なんてしたことない、ってやつなんだけど、それが「格納ボタン」押してないのに「格納」するの。
どころか、それからもモーターが止まらずに動き続け、「ガガガガ・・・」って小刻みに振動を繰り返している状態で、明らかに異常。
でもって、エンジンをかけている限りそれが続くので、要は「右のドアミラーは格納したままでないと運転できない」状態。
手で無理矢理動かすと、もちろんミラーを使える定位置に戻せるんだけど、手を離すとすぐに格納する。
こういうの、どうすれば直るのか、だいたい知ってる。
修理に出すと、「ユニット交換」をすれば直ることが多く、この場合は「右のドアミラー全体」をユニット交換することになるんだろうけど・・・
そもそもミラーの格納機能、要らなくね?
なんなら電動調節だって、せいぜい年に1~2回使えば御の字じゃね?
ってことで、修理に出さず、電動ミラーのコントローラー裏の電源引っこ抜いて、それでよしとしているなんてことがある。
例えばこれが、走行系に影響を与える部分のトラブルなら、そういう解決方法はしないんだけど、こんなのでいちいち修理していたら、時間もお金も勿体ない。
長いこと同じ車を使い続けると、こういった修理費用が嵩んでいき、最終的には「エンジン載せ替え」とか「ミッション交換」なんていう、トンデモ見積もりが飛び出す場面に遭遇する可能性も高くなる。
こうなると、「いっそ買い替えたほうが諸々お得なのでは?」って思うんだろうけど・・・自分の車でそうなるまで乗り続けたことは、これまでのところ無い。
昔の仕事ではね、ちょいちょいあったよ。
えーと、例えばある社長の車を車検に入れてもらったとき。
もちろん、社長クラスが乗る車って、大抵高級車であり、なんなら車検を通さず3年ごとに乗り替えるってことも珍しくなかった時代なので、結構入れ替えを勧めたんだけどね。
「ゆたこクン、今回は悪いけど車検通す。車検も、次の入れ替えもオタクでやるから、今回は勘弁してくれ。」
って言われると、それ以上食い下がるのは難しい。
俗に言う「バブル崩壊」後の話なので、景気は急速に悪化していた時代。
言っても今現在よりは、メチャメチャ景気良かったけどね。
で、車検に入れてもらったんだけどさ。
自分は営業だから、普段は外回りしているんだけど、その最中に工場長(整備のトップ)から電話が入ったの。
「あの社長の車検なんだけどさぁ・・・」
「ええ。」
「なんかいろいろ具合が悪いところが多くて、結構高くなりそうなんだわ。」
「え、そうなんですか?」
まぁでも、高いから文句言うってことも無いんじゃね?
いや、文句は言うだろうけど、最終的に払ってくれないとか値切るとか、そういうことは絶対しない社長だよね?って思って聞いてたの。
ちなみに、この工場長はクレームとかそういうのが結構苦手で、よく言えば「丁寧」「繊細」、悪く言えば「優柔不断」「石橋を叩いて渡る」タイプ。
自分も同じタイプではあるんだけど、2倍くらい輪をかけた感じ。
「いや、俺も心配だからさぁ。見積り出た時点で社長に電話したの。」
「マジっすか!ありがとうございます!そんなの、言ってくれれば僕からかけたのに。」
内心余計なことを、って思いながらもそう答えた。
「それも考えたんだけどさ、『具体的になにがどうしてこんな金額になるのか説明しろ』って言われたら、ゆたこじゃ無理だろ?」
「まぁそうですね。」
「じゃあ俺からかけるほうが早いじゃん。で、電話した訳よ。そしたら・・・」
ちなみにこの工場長、ちょっと冗長なところもある。
「なんて言いました?社長。」
「それがさぁ、『修理が必要だという話は分かった。ちょっとゆたこクンから連絡を貰いたいんだが』って言われちゃった。
ちょっと連絡入れてもらえる?」
「おほっ!マジっすか!?」
「ゴメンよぉ!良かれと思って連絡したんだけど、なんかかえって悪いことしちゃったね。高すぎるからお前のところでは二度と車検しない!なんて言われたらどうしよう!?」
「あぁ、なるほど・・・それで僕から連絡入れるまで、車検はストップするように、とか言われました?」
「そう!絶対クレームだよね!?」
「んーーー。まぁそういうこともあるかもしれませんが、ひょっとしたら工場長グッジョブかも知れないっすよ。」
「?」
だいたい想像ついていると思う。
そう。
この社長、車検代が結構高いもんだから、「そんなぐらいなら入れ替えたほうがいいんじゃね?」って思ったらしい。
自分が電話したら、「もういっぺん新車の見積もり持ってこい」だったし、結果的に新車入れ替えてくれた。
まぁそんなことはそうそうないけど、車検とか修理とかって、入れ替えの契機になることは間違いない。
・・・ってことを最近思い出した。
それにしても、である。
まだ修理が終わらない。
いや、正確には一度連絡があった。
「お車の修理ですが、コンピューターを載せ替えたところ、エンジンはかかるようになりました。」
こんな言い方されると引っかかるよね?
「直った」とは言わない辺りが。
「え?じゃあ修理終わったってこと?」
「あー。いえ、実はお車が雨漏りしているようで・・・」
「ほぅ!雨漏りってするの?」
「ええ、ドアの樹脂とかモールをつないでいるところ、穴があいているんですが、普通はビニールでシーリングしてあります。ただ経年劣化でそのシーリングが弱っているらしく・・・」
「あぁ分かった分かった。直してもらえばいいから、いつごろ直る?」
「はい!これから発注になるので、2~3日後には・・・」
まぁ時間とお金がかかるのは仕方ない。
今回はそういう選択をしたし。
でも、こういう風に後出しで追加が来ると、判断基準がずれるなぁ・・・
ってことで、未だに車が帰ってこない。
2人で1台をシェアする生活、それほど困る場面は無いんだけど、それでもいくつか出てきている。
自分が仕事終わりに飲みに行き、そのまま車を乗り捨てて帰り、次の日にカミさんと一緒に取りに行く、ってことが出来ないこと。
自分が残業とかで遅くなった時、カミさんが車でお買い物に出ることが出来ず、ちょっと離れた行きつけのスーパーでは無く、歩いて行けるスーパーにしか行けないこと。
うちの駐車場に1台も車が停まっていないので、主にご年配の患者さんが、「あら、先生どっかに行ったのかしら?」って感じで、店に入らずに待っていることが多発しているらしいこと。
みんな、いい人ばっかりだ。