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逆子治療について

逆子とは

赤ちゃんを妊娠した場合、通常ならばお母さんの子宮の中で頭を下に、足やお尻を上にした状態でいます。(これを頭位と言います)

逆に子宮の中で頭を上に、足やお尻を下にした状態を頭位に対して骨盤位逆子)と言います。

逆子になる明確な理由はよく分かっていませんが、逆子の状態での出産は全分娩の3〜5%を占めるそうです。


逆子の場合の特徴として、比較的早産しやすいということがあります。

また逆子での出産となれば、正常分娩と比べいろいろな問題が多いため、母子の安全のために帝王切開ということになるケースが多いのはご存知の通りです。

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逆子は治るのか?

お母さんがお医者さんから逆子を指摘されるのは、ほとんどが定期健診の時だと思います。

妊娠中期(20~28週)ぐらいまでは逆子であっても問題ありません。(お医者さんも問題視しません)

この時期、赤ちゃんはお母さんの子宮の中をくるくると回っているものなので、上を向いていることも下を向いていることもあり、たまたまの可能性が高いからです。


では、いつ頃から問題になってくるのか?

たいてい妊娠後期に入る、28〜30週を過ぎても逆子を認められると問題になってきます。

これは、赤ちゃんの頭がだんだんと重くなってきて、自然と頭を下にした状態になってくる時期だからです。

この辺で、お医者さんから「逆子体操」というものを始めてください、と言われることもあるようですね。


「逆子体操」が具体的にどんなものかは・・・

多分このページを興味を持ってご覧いただいているなら、よくご存知だと思います。

かなり妊婦さんにはきついようで、しかも、効果はあまり芳しくないようです。


他には、お医者さんによっては外回転術をやることもあるそうです。

これはお腹の外から赤ちゃんを押して回す、というもので、クルッと回ることもあれば、なかなか回らないこともあるそうです。

この方法は、場合によっては胎盤剥離などの危険を伴うことがあるので、お医者さんによってはやらないことも多いそうです。

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さて、はりきゅうでの逆子の治療、効果はどうでしょうか?

これはひとつのデータですが、東邦大学医学部付属大森病院(東京都)産婦人科・東洋医学診療の林田和郎医師が、2,000人の逆子を妊娠中のお母さんに鍼灸での逆子の治療を実施したところ、28週から鍼灸治療を開始すれば、89.9%が矯正に成功した、とあります。

さらに逆子の治療が難しくなってくる妊娠34週前後でも42.5%が治ったとあります。

実際、28〜30週に治療をはじめていれば、どうしようもない理由(子宮の形の問題・胎盤の位置・へその緒が短いなど)を除くと、ほとんどが治りますが、週が進むほど赤ちゃんが大きくなってきて、回りづらくなってきます。

35週を過ぎると、絶対に回らないわけではないですが効果としてはあまり期待できなくなります。

はりとかお灸ってやったことないんですが・・・

ほとんどの方がそうです、残念ですが(笑)。


逆子の治療ではお灸がメインとなります。

それほど熱くないよう、また痕が残らないよう工夫して治療していきます。

それでも熱さが苦手な方には、暖かい程度のお灸もあります。

はりをする場合も、刺すときにチクッとすることがたまにある程度で、ほとんど分からないと思います。

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治療の間隔や回数については、逆子の治療は時間が限られているので、間隔をつめることもありますが、週1回程度で3〜5回ほどです。

大事なのは

赤ちゃんが無事に生まれ、お母さんも元気でいられることです。

そして、お母さんが抱えている不安やイライラは、お腹の赤ちゃんにも確実に影響しているということです。

逆子というものは特に何もしなくても、ある日突然治ることもあるものです。


ただ、治るか治らないか分からない…

帝王切開になるかもしれない…

こういった不安な状態が、お母さんと赤ちゃんにとっていい状態なわけがありません。

不安があるのは当然ですが、それがいつまでも気持ちに引っかかっているのなら、一度試してみてはいかがでしょうか?

きっとお役に立てると思います。


はりやお灸での治療はたとえ逆子に効果が無かったとしても、安産(早産予防・母子の健康増進)の為の治療と同様の効果があるので、是非お勧めします。

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LastUpDate 2013-03-29 (金) 13:10:53

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