義父と私

この週末、法事がありました。私にとっては義理の父にあたる人と、義理の祖母にあたる人の法事です。

まぁ去年も同じ時期に法要があり、たった一年のうちに「く、首がくるしぃ~・・・」ってくらいに成長してしまった自分が、なんとも残念でした・・・などという小ネタはともかく。
普段は意識して考えないようにしている部分もありますが、年に一度くらい、故人に思いを馳せるというのもよいものです。

素敵な人でした。

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本当に素敵な人だったので、改めて考えてみたら、思ったほど話してこなかったなぁという事実に気付いたとき、とても残念でした。
お互いにあまり饒舌なほうではなかったので、それも当然かもしれませんね。

でも、言葉を交わさなくても伝わる部分ってあるじゃないですか。生き方とか。
別に派手でもなんでもなく、他人のために自分を犠牲にすることも厭わないような生き方が自然と出来る、そういう人でした。

私はダメです。どうしても打算が入ります。
結構どこかで「計算」している自分がいます。そこが義父とは大違いです。

ちょうど、今回は義父と義祖母の法要だったのですが、その義祖母が健在だったときのことを思い出しました。
高齢からいわゆる認知症状が重くなった義理の祖母は、それまで暮らしていた義理の両親との同居が難しくなったので、介護施設での生活を余儀なくされました。

苦渋の決断だったそうです。それまでにも結構いろいろ大変なことがあり、もう限界だと考えた上での施設入所でしたが、それでも「申し訳ない」と考えるような、そんな人でした。

ですがそういったものです。自分がケアマネジャーをしているから、という訳ではありませんが、そんな家族はごまんと見てきました。
自分の親を嬉々として施設に入れる・・・なんて人はほとんどいません。迷いながら、悩みながら・・・どれを選んでも後悔するに違いない選択を迫られる場面にも、何度も立ち会ってきました。
私自身がその選択を迫ることだってありました。

だからそれがどれほど苦しいことか、他人事ながら分かっているつもりです。

 

そして施設に入所した後・・・その家族の人間性がはっきり現れます。

ほとんどの家族は、そう足繁く面会になど来ません。もともと、家での生活が困難だからこそ施設にお願いしたのです。そんな時間など取れるわけも無い、という家族も多いでしょう。
あるいは、やっと肩の荷が下りたとばかりに知らん振りを決め込む家族もいます。

そんな中、一番多いのが「次第に足が遠のく」というものです。慣れるまでは心配だったからしょっちゅう顔を見に行ったけど、案外大丈夫そうだ、ということで数日おきになり・・・週1回になり・・・気がつけば月1回になっている・・・そんなパターンです。

段々関心が無くなってくるからでしょうか?

私は違うと思います。
面会に来ると、思い知るんです。自分がこの人の人生を変えてしまったという事実を。
やはり家で暮らしていたほうがよかったかもしれない、という疑問や後悔を感じるかもしれません。
会うたびに少しずつ衰えていくのにも気付いてしまいます。

そんなの、見たいですか?

見たくないじゃないですか?

だから、みんな足が遠のくんじゃないでしょうか?
わざわざ施設に出向かなければ、そんな事実から目を背けることができるじゃないですか。
もうその世界で生活が完結しているんです。あえて踏み込む必要はありませんよね。

 

そんな中、義父は祖母の入所後も、毎日施設を訪れていました。本当に毎日です。
足かけ何年になったか・・・は、ちょっとよく覚えていません。おそらく2~3年続いたんじゃないかと思います。もっとかな?

本当に強い人でした。責任感の強い人でしたので、絶対に自責の念に駆られていたはずです。それなのに、毎日行くことをやめませんでした。
義祖母の認知症もひどくなっており、昨日会ったことを今日すっかり忘れているという状態でした。

まぁ行きませんよね。

普通行きません。

「みんなそんなに毎日面会になんか来ないよ。」という話を聞けば、安心して面会の頻度が少なくなっていきます。ましてや面会に来たことを当の本人が覚えていないんですよ?

 

いつだったか、義父にそれを直接聞いたことがあります。

「ねぇ、なんで毎日行くの?そんなに行く必要ないんじゃないの?」

って。なんて答えたと思います?

「う~ん、行く必要はないかな?・・・でも時間あるから。」
だって。カッコイイよねぇ(笑)。

この人のこういうところ、一生かなわないんだろうなぁって思ったのはよく覚えています。
実際かなわなかった訳ですが・・・

 

なんてことを思い出しながら、自分の至らなさを感じております。一部脳内で脚色があるかもしれません。
まぁ生者は死者には敵わんもんですよ。


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